top page以外からお越しの方はこちら




優先席

通販の会報の読者コーナーで、妙に記憶に残ってる投稿がある。

「私の小学生の息子は、見た目には分からないけれども
心臓の病気を持っています。
普通の暮らしをしていても呼吸が苦しくなることがあります。
なのに電車の優先席に座っていると
『なんであんな若いのが優先席に・・』
という目で見られて、辛い思いをしているようです・・・」

そうだ!ひどい!
もっともだ。
私も前から思っていた。
世の中、目に見えるハンデにしか配慮がないことが多すぎる。

電車の優先席の後ろにはご丁寧にシールが貼ってある。
ご年配、妊婦、小さな子供連れ、体の不自由な方の絵。
確かに大変。
でも「目で見て分かる」辛い人ばかりじゃない。


ところで私は偏頭痛持ちだ。
あの痛みたるや、ちょっとした地獄だ。
頭が脈と共にズガンズガンと響き、
さらに吐き気がもよおし、幸いにして吐かなくても、
前に食べたものの味があげてくる始末。
光や音でさらに痛みはアップグレード。

きょ、今日ばかりは座らせてくれ・・。

基礎代謝をあげるべく、普段はつり革派の私だが、
この時ばかりは座りたい。
でも周りの人は、いつもの私と「この時」の私の区別など
つけられようはずもない。
ま、しょうがない。

仮りに優先席の人に
「私は偏頭痛です。痛いんです。座らせてください。」
なんて言おうものなら、多分ちょっと変な人扱い。
言ってることはほんとなんだけど。


でもこんなもんなら、まだいい。


私の知り合いに10年ほど不妊で悩んでいる人がいる。
もし、そんな彼女の目の前に妊婦さんが現れたら・・・。
もちろん妊婦さんは微塵も悪くない。
彼女は席も譲るだろう。
でも彼女の気持ちは誰もいたわってくれない。


これらはたまたま気づいただけ。

実際に、いろんな目に見えない辛さは
いろんなところで誰にも理解されないまま、
下手すれば存在にすら気づかれないまま
生まれては消えていくんだろう。





次"
戻る"

inserted by FC2 system