スクール水着 |
スクール水着。 当時はなんてつまらないものなんだろうと思っていた。 のっぺりとしたただ紺色一色の布きれで、芸もない。 左胸に縫い付けた学年組名前の白い布もたまらなくダサい。 それなのに、逆に歳を追うごとに変な面白みが出てきてしまうから大人って厭だなあ などと、自分のことは棚において思ってみたりする。 しかし、私にはそれより多分面白いと思われるスクール水着エピソードがある。 とは言え、もったいぶるほどのものではない。 単刀直入に言ってしまおう。 私は小学校6年間を1枚のスクール水着で過ごした。 つまり1年生の時に着ていたスクール水着を6年生の時も着ていた、ということである。 多分6年間で30cm以上は成長していたはずなのだが・・・。 なぜこのようなことが起きたのかと言えば簡単、 母上も私も気づかなかったから。 まあ母上はしかたない。夏しか着ないものだし、自分が着るわけでもない。 問題は私だ。夏しか着ないけど、いい加減キツいのは分かるだろう。 5〜6年の頃は陰で「コマネチはみんこ」とか言われていたかもしれない。 このような醜態を晒しておきながら、まったく知る由もなかった自分が恥ずかしい。 そして、このことを当時コマネチ呼ばわりしてそうな同級生に聞いても、 もう憶えていないだろう。 そんな中途半端な笑いを提供してしまった自分がまた恥ずかしい。 中学校に入って6年ぶりに新しいスクール水着を着た。 妙にゆるく感じた。 |