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明るい家族計画

うちの家庭では、一切の性教育がなされなかった。
どんな意図のもとにそうしたのかは分からないが、
両親の方針だったのだろう。

だから、小5のころ女子だけ集めてビデオを見せられときも
私にはさっぱり意味が分からなかった。
子供にしても、結婚すればおなかが膨れてくるもんだと思っていた。
もし私が現代の子供なら、情報が溢れていてその限りではなかったと思うのだが。

そんなことも手伝って、まったく無知だった私はいろいろと両親を困らせる行動を起こした。
私が悪いんじゃない。

小学校の時分は「明るい家族計画」なる自動販売機が、
街中の至るところにひっそりと立っていた。
その「明るい家族計画」は、普通の自動販売機よりかなり小さい。
しかも2〜3種類しかない。
さらに500円とえらく高い。
そしてなんだか面白そうな小箱。

子供が興味を示さないわけがない。
毎回「あれなにー、買って買ってー。」とねだったが、いつも軽くかわされた。
しかし、チョコをねだって却下されるときとなにかが違うなと、子供ながらに思っていたものだ。


高速道路のインターチェンジ付近には、また子供心をくすぐるお城が所狭しと並んでいる。
車の窓から、いくつもの大きくてかわいくてきれいなお城を追い越していくのが見える。
毎年夏休みに行く、河口湖畔のホテルもお気に入りではあるのだが、
やっぱり「ねえ、とうちゃん。次はあそこに泊まろうよー。」
とねだった。
しかし「あー、今度なー。」と言われるだけで、
結局、家族でお城に泊まることはなかった。
あたりまえか。


「明るい家族計画」にしろ、カラフルなお城にしろ、
なにも知らない子供の興味を惹くルックスがいけない。
子供にゃまだ早いと言うくせに、子供の目につく要素が多すぎる。

ふと気づくと、いつ知ったのかも忘れて、懐かしんでる自分がいる。
まあ、そんなもんなのかな。




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